ベトナムビジネスのリスク≪賃金設定≫

ベトナム全般

駐在員として、最も悩むと言っても過言ではない懸念材料。

現地従業員の「賃金」について、今日は述べたい(ほぼ愚痴です)と思います。

 

本社の部長クラスが現地企業の社長として派遣されることは、企業の大小を問わず多くあると思います。

ただ、国内の賃金設定(賃金規定、昇給規定)は勿論、海外の慣習なんて精通してる現地社長は皆無かと。

弊社で経験した、賃金設定とそれから派生する揉め事について書いていきます。

 

【目次】

 

 

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1.作業手当

手当と一言で言っても内容は種々雑多です。

時間外手当休日出勤手当役職手当通勤手当住宅扶養皆勤作業、・・・・と企業独自のものを入れるととても書ききれませんね。

 

今日はその中から、「作業手当」という製造業独特の手当を解説します。

重労働の部門、匂いのキツイ現場、クリーンルーム内の座り仕事など、1つの会社にも色んな作業があります。

当然、重労働の部門とクリーンルームの部門では、賃金に差が無いといけません。

(法律上の規定はありませんが、無いと退職やトラブルの元になります。)

 

しかし、この金額設定、慎重にやらないと結構面倒なトラブルに発展します。

 

「なぜ、あの部門だけ?!」

 

作業内容が異なるのだから当然だろう。と日本人の感覚では思いますが、ベトナムでは違います。

「作業内容は知ってる。けれども、俺の作業もキツイから手当を上げてくれ。」といった手で、交渉?を試みる従業員も少なからずいます。

こういった従業員が1人でもいると、その周りが自然と便乗します。

こうなると、もう立派な労働争議です。

「他の会社は社員旅行があった!」「食堂の飯が美味しいらしい」「会社負担で飲み会をしてるらしい」と訳の分からん要求が出ることも珍しくないそうです。

(幸い、うちはそこまでいきませんでしたが。。)

(いったん話をここで切ります。すいません。。。。)

 

2.最低賃金

ベトナムにおいて「スタッフ」と「ワーカー」という雇用形態があります。

話を聞く限り、会社規模に関わらずこれを雇用において、大きな線引きに使っています。

つまりは「管理者か否か」、「単純作業者か否か」というモノです。

ブルーカラー・ホワイトカラーという区別は適切ではありません。現場作業員のトップなんかは、「ブルーカラー」

ですが、ベトナムの雇用形態では「スタッフ」となっている事が多いと思います。

 

給料に関して言うと、スタッフは採用時の交渉と契約次第です。基本は中途採用となります。

ワーカーの場合、基本給を政府が定める最低賃金とするところが多いと思います。

基本給を一律の最低賃金として、手当部分で勤続年数やスキルに基づく差をつけるという会社が主流かと個人的には考察しています。(特に中小企業の場合は)

 

前章の「1.作業手当」に少し話を戻します。

基本給が全員一律となってくると、手当が持つ意味がぐっと上がります。最低賃金が日本円で約2万円程度、物価の安いベトナムと言えどもこれだけで家族を養うのは容易ではありません。

ベトナムでの2万円を日本人の価値に置きなおすと、だいたい12~15万円くらいかと想像します。

 

東京で月収15万円・・・

話になりません。仮に地方の都市だとしても、かなりキツイ生活と思います。

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3.昇給

賃金が安いワーカーは、「ローカル企業よりも好待遇」という魅力にひかれて日系企業に応募してきます。

ここで重要なのは、日系企業独特の「長期雇用」、「安定性」などはあまり考えていないという事です。

 

つまり、100円200円でも条件の良い会社があれば、すぐそちらに転職します。

もちろん、1年以上働き続けた従業員(特に新設会社の場合)は、「出世」という将来的なビジョンを少しだけ持ちます。ただ、圧倒的に「明日よりも今日!!」という志向が強いです。

 

先述のとおり、「基本給は最低賃金」とすると、手当でインセンティブを付けるしかありません。

勤続年数での増加はシンプルで問題ありません。問題はスキル・勤務態度など数値化できないものを評価する場合です。

駐在員が安易にワーカーの査定をするのは危険です。

 

ベトナム人は給与明細を見せ合います。その結果、「なぜ、あいつは俺より高い!」と駐在員のもとへ個別訪問してきます。

重大なストライキとまでは行きませんが、作業時間をかなり奪われるかつ、多数のベトナム人VS1人の日本人という構図になるので、危険を伴うことも考えられます。

 

こうした事態を事前に回避するため、ワーカーの査定は各部のスタッフに任せることをおススメします。

こうすることで、文句の矛先が駐在員に向くのを回避できます。

一つでも、火種を作ると彼らは、他の事象にまで便乗して文句を言って来ます。

 

税務や法律、日常のコミュニケーションだけでも大変なのに、やはり駐在員は楽じゃないですね。

 

 

以上