技能実習制度(ベトナム人)を纏めてみた

技能実習

外国人技能実習生が実態を訴え 時給300円で残業

サムネ画像ですが、ショッキングな報道ですね。

昨今のニュースで「現代の奴隷制度」「移民受け入れ」「劣悪な作業環境」「実習生の失踪・犯罪」など

ネガティブな単語が踊っていますが、その運用について知ってる範囲で纏めみます。

 

【目次】

 

 

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1.登場人物

 

図のように、4つの組織・個人が主要登場人物となります。

まず、送り出し機関について。送り出し機関はベトナム国内で事業を展開しており、ベトナム人応募者の選抜と教育を行います。

語学教育は勿論、日本の文化・習慣についても教育します。ハノイ、ホーチミン、ダナンなど都市部を中心に分布しており、応募者は全寮制の施設で共同生活を送りながら、勉学に勤しむという訳です。

 

ベトナム人実習生の受け入れを希望する企業は、各都道府県に複数ある監理団体へ連絡します。

受入企業は、個社の概況から作業内容、希望する人材の概略を伝え、監理団体と受入に向けたスケジュールを調整することになります。

実習生が受入企業に配属される前に、監理団体は自社の施設で最終教育を行います。また、配属後も受入企業に対して労働環境やベトナム人に対してのヒヤリングを行うという決まりになっています。

 

実習生は、ベトナム国内での教育を履修した後、送り出し機関で公開される受け入れ企業の求人情報を閲覧します。

業種や作業内容を考慮し、希望の企業へ応募することが出来ます。

応募後、受入企業の担当者による面接が行われ、合格者は日本渡航の準備が開始されます。

 

 

2.実習生受入までの流れ

大まかな流れはすでに1.章で説明しましたが、少し具体的なスケジュールを解説します。

受入企業は、日本側の監理団体を通じて具体的な面接日を設定します。

面接は通常ベトナム国内、送り出し機関の施設で実施されます。

事前に候補者の履歴書が受入企業には送付されますので、担当者は内容を確認してから途越するのがベターです。

 

途越後、候補者の面接に移ります。候補者は事前に、受入企業の情報を閲覧しているので、業種についてはある程度理解していますが、採用後のギャップやトラブルがないように、日本人の担当者から再度直接説明してあげましょう。

(送り出し機関には日本語を話せるベトナム人スタッフが常駐していますので、通訳の心配はいりません)

昨今のトラブルは、受入企業側の説明不十分も原因のひとつと私は考えます。

1日の作業時間や、危険作業の有無は採用面接のときに丁寧に説明を行った方がいいです。

私も以前、面接に立ち会ったことがあります。危険作業を伴う会社であることを説明し、指示通りに作業を行わないと指を切断するなどの重大事故につながる旨を強調しました。

結果、1名は面接の途中で自らリタイアを申し出ました。

 

面接を終えて合格者が決まったら、送り出し機関のスタッフに合格者を伝えます。

合格者のみを集めて、再度意思確認を行い、彼らは晴れて日本行の権利を手に入れます。

合格後、実習生は3か月ほどかけて再度日本語や文化の学習を行います。

 

3か月の経過後、日本へ入国。今度は、監理団体の元、日本語や文化の授業を受けることになります。

監理団体での授業を修了したのち、いよいよ受入企業へと配属されます。

旧制度では最長3年とされていた本制度ですが、平成29年の改正に伴い5年へと延長されたようです。

2年間の延長には個別の要件クリアが必要ですので、詳細は監理団体へとお問い合わせください。)

新たな外国人技能実習制度について:https://www.mhlw.go.jp/content/000337512.pdf

 

 

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3.ざっくりとした費用

受入企業で気になるのが費用かと思います。本来は途上国への技術移転を本旨とした本制度ですが、企業の人件費低減を目的に利用されているケースが多いのも事実です。

2017年時点での費用をざっと纏めました。

請求書などを確認したことはないので、JITCOの費用については説明を受けた当時の金額をそのまま記載しています。上図は受入までに発生する初期費用とお考え下さい。

 

外国人を雇用する訳ですので、宿舎や生活家電の用意は企業側で行う必要があります。

アパートなどをレンタルする場合は、敷金礼金は企業側で負担することになります。

基本的に豪華な宿舎は不要ですので、社員寮などをお持ちの企業はそちらを利用すれば充分です。

また、一人一部屋は必ずしも必要ではありません。説明を受けた当時の内容ですと、一人あたり最低3畳あれば文句は出ないそうです。

(6畳ひと間の部屋を2人でシェアということでしょうが、アパートを賃貸する場合は貸主との契約に注意してください。)

 

また、実習生にとっては酷な扱いですが、家賃、電気代、備品(生活家電、自転車など)については賃料を徴収することも制度上は可能です。

ただし、不当に高い賃料の徴収は失踪や犯罪などトラブルの原因になるのでお勧めしません。

 

次に、実習生入国に伴い発生する初期費用です。

送り出し機関や監理団体によっても異なるので目安程度にしかなりませんが、各教育費用も受入企業が負担することになります。

ここら辺がいまいち理解できない部分でもあります。

受入企業が、実習生の教育費用を負担するのは理解出来ます。しかし、一部の報道を見ますと、実習生は送り出し機関に登録するにあたって、100万円以上の手数料や保証金を支払っているとされています。

送り出し機関の収支明細は我々一般人では知ることが出来ないので、正直何とも言えません。

ただ、不当な保証金を実習生に負担させている悪徳業者も一定数存在するということかと思います。

 

話を戻します。

実習生の入国に伴い受入企業は、50万円程度の初期費用をここでも負担する必要があります。

先述の面接費用や、宿舎費用と合わせると最低でも80万円程度、不動産契約の内容によっては100万円程度の初期費用が必要という計算になります。

 

 

最後に、実習開始後の費用です。

実習生の給与については、法定の最低賃金を遵守していれば問題ありません。

恐らく多くの企業が最低賃金での雇用を行っていると思います。

ただし、残業や深夜作業をさせた場合、日本人同様に法定の割増賃金を支給することが必要ということをお忘れなく。

 

具体的なシミュレーションをしてみましょう。

東京都の最低賃金(2018年11月時点)が時給985円です。

1か月の実働日数を20日、1日の労働時間を8時間とすると

985円 × 8時間 × 20日 = 157,600円

上記のような計算になります。

 

日本人労働者同様に社会保険料の源泉徴収が必要ですので手取りは約13万円となります。

先述しましたが、家賃や電気代、生活用品のレンタル料を徴収することも可能ですが、不当な徴収はトラブルの原因になります。

最低でも、実習生の手元に10万円は残るようにして下さいというのが、当時受けた説明です。

 

 

4.ベトナム人との接し方

実習生の募集を行う場合、2人以上の複数で行うのが通常です。

受入企業の規模によって、受け入れ可能な人数は制限されますが複数で共同生活させた方が、生活費用の節約にもなるので無難です。

 

実習生の多くは20代~30代前半の若者です。

若いですが、既に家庭を持っているケースも珍しくありません。

受入企業に配属されたらなるべく早く、携帯電話の契約を手伝ってあげましょう。ベトナム人は家族を非常に大切にするので、毎日のようにテレビ電話をします。

(大手キャリアではなく、通信データ容量の大きい格安キャリアを選んであげましょう。)

 

配属されて半年程度は、言葉の壁が大きくあまりコミュニケーションは取れません。

日本語を学んではいますが、簡単な単語しか通じないと思った方がいいです。

実習生を気遣って、食事に連れて行くのもいいですが、最初の内は彼らも緊張しっぱなしなので、あまり一気に距離を詰めないほうがベターです。

 

ニュースでも話題になっていますが、実習生の尊厳を損ねるような扱いは厳禁です。

不当な時給で危険な作業を強制、など社会問題にもなっています。

結果、ベトナム人実習生の失踪や犯罪件数が増加という悪循環に陥っています。

どこまで真実かは分かりませんが、実習生は多額の保証金を送り出し機関へ供託してる可能性は大いにあります。

受入企業から失踪した場合、保証金は全額没収されます。

ハナから失踪目的で入国している実習生以外は、失踪するメリットはほとんどありません。

受入側も失踪が起こりにくい環境を整備することが必要と思われます。