クローズアップ現代《東芝特集》

企業会計

クロ現 “どん底”から復活できるか 東芝・瀬戸際の闘い

11月8日、東芝は今後の経営方針として「東芝Nextプラン」を発表しました。

同日、NHKクローズアップ現代では東芝への密着特集を30分に渡って放送。

サラリーマン目線で内容を纏めて見たいと思います。

 

【目次】

 

 

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1.組織改革・風土改革

番組冒頭で車谷CEOと若手社員の懇談が放送され、意思決定の遅さについて若手社員の意見をCEO自らが聞く様子が映し出されました。

【既存の意思決定プロセス】

社内での調整(稟議・打ち合わせ)で疲弊かつ時間を浪費、製品リリースの頃には社員は疲労困憊しており、製品も市場のニーズから遅れる。

【若手中心の新しいプロセス】

社内調整を大幅に短縮。顧客・市場のニーズを反映しながらの製品開発へと移行。

 

ベンチャーやIT企業で若手社員が事業を作り出す時代。

東芝も若手発信の製品が市場で流通するよう期待したいですね。

 

 

2.組織・事業部門ごとの経費削減

副社長が先頭に立って、全社に経費削減を説いていましたが順調とは言えない様子でした。

長年染み付いた高コスト体質を払拭するのは容易ではありません。

7割近くを外国投資家が占める現状を考慮すると、SHARPのような身売りの可能性もゼロではなく、外国人社長の起用という可能性は充分に考えられます。

経営陣が熱くなるのも分かります。株主構成を考えると、今結果を出さないといけないのは誰よりも現行の経営陣がだからです。

 

 

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3.GAFAへの対抗

番組内では、半導体事業の代わりとなるビジネスの育成として、GAFAへの対抗が強調されていました。

「シリコンバレーのITジャイアントが、IT分野に留まらずハード分野への進出も狙っている。」

東芝はハード分野でかつて強い存在感を放った日系企業として、工場内の製造プロセス、インフラ工事で培ったノウハウをデータ化し、新しいビジネスを創造しようと車谷CEOは語りました。

ドイツ、シーメンスからデジタル戦略の専門家を引き抜いたという点には本気度が感じられます。

メルカリが大量に外国人を採用したように、これを起点として若手の育成もしくはプロ人材の起用など、会社としての方向性をより明確化されることを期待します。

 

 

4.IR情報に見る事業戦略

番組の内容自体からは少し離れますが・・・

「高収益事業であった半導体に変わる、新たな事業創造。」というのが東芝Nextプランの根幹です。

残された社会インフラ、エネルギーはどれも高収益とは程遠い。PCや家電は既に手放しており、車谷CEOのコメントは、もはや他に選択肢がなく必然の決断と思えます。

11月8日の取締役会では7,000億円規模の自己株式取得を可決。

不採算部門のLNG事業を中国企業に売却。

7割超という高い比率を占める外国株主を尊重する態度も見せ、株価は一時的に3,700円を上回る高値を記録しました。

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5.今後の展望

グループ全体で13万人を抱える巨大企業としては、なんとか踏ん張ってこの窮地を打開して欲しいです。

関連会社は数百以上、取引先を含めると、東芝が持つ影響力は計り知れません。

恐らくこれが、国民や政治の本音かと思います。

しかし、成長戦略については具体的なイメージが掴めないというのが市場での大半の意見かと思います。

GAFAや中国系のIT企業が、ハードにも参入しようとしているのは今に始まった話ではありません

IoTやAIというワードは決して目新しいものではなく、東芝の成長戦略はどうしても周回遅れの感を否めないです。

車谷CEOも三井住友銀行の出身であり、株主・顧客目線というよりも債権者目線での会社経営を行なうのではという冷めた見方が出るのも仕方ありません。

GAFAにはカリスマと呼ばれる経営者が存在していました。

最近ではテスラのイーロン・マスク、日本ではZOZOの前澤友作がそうであるように、カリスマ経営者の登場を私は期待したいです。

カリスマは人材を呼び、収益・資金を集めます。

サラリーマンとして仕事をする上で、「何をするか」も大事ですが、「誰の下でするか」も非常に重要です。

苦境に立たされている東芝ですが、人材への投資という視点も今後持ち合わせて、会社全体の風土が変革されるよう期待します。