ベトナム人にとって、日本での技能実習は魅力的か?

技能実習

入管法の改正がもう可決秒読みと言った情勢でしょうか。

(以前纏めた、技能実習制度の記事もありますので宜しければどうぞ。)

 

貴重な労働力として、東南アジアを中心に若者が日本の人材不足を支える?手段として期待されています。

 

実習生に関しては色んな記事が流れています・・・

「時給300円」「1日15時間労働」「指の切断」などなど・・

事の真偽はさて置き、そもそも彼ら(ベトナム人で検証させて頂きます。)にとって、日本での実習は本当に得なのか?思ってる様に貯金や家族への送金ができるのか?という観点で考察してみたいと思います。

 

 

【目次】

 

 

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1.ベトナム人の日本での収入

まず、彼らの収入面から見てみましょう。

基本、雇用不足ということでベトナム人を採用するという企業は、最低賃金での雇用が基本になるかと思います。

最低賃金と一言で言っても、東京都と地方では大きく開きがあります。

参考資料  平成30年度地域別最低賃金時間額答申状況

 

平成30年度基準で、時給にして

  •               東京都:985円
  •               鹿児島:761円

最高時給と最低時給とでは、224円も開きがあります。

週5日・8時間勤務で起算すると・・

  •               東京都:985円×8h×20日 = 157,600円 /月
  •               鹿児島:761円×8h×20日 = 121,760円 /月

⇒ 月間収入格差           = 35,840円

割と大きな差が出ますね。

 

35,000円となると、ベトナム人では勤続年数長めのベテランワーカーの月給、とでもいったところでしょうか。

ベトナムの最低賃金が約20,000円/月と考えると、大きな収入格差という事は自明です。

 

勿論、物価の差もありますが、最低限の衣食住という観点で考えると、物価差がこの格差を吸収するとも思えないです。

今回は、話を簡便にするために、ベトナム人実習生が140,000円の収入を額面で受領し、手取りが112,000円(社会保険料他で2割源泉徴収)と仮定しましょう。

 

どうでしょう?3人グループでルームシェアするといって、約10万円での日本の暮らしというのは?

数字の上ではベトナムの最低賃金の5倍以上ですが、日本人感覚で考えるとかなり厳しいですね。

 

 

2.日本での生活費・支出

日本の監理団体が主催する説明会でよく聞くのが「手取りが10万円」という収入ラインです。

その使用用途が下記のようなイメージらしいです。

あくまで目安なので、食費なんかは団体で自炊すればもっと節約は可能かもしれませんね。

携帯電話についても格安simを使えばもっと削減は可能です。

  • 今回の想定は優良受入企業とまでは言わないまでも、不当な料金徴取を行わない受け入れ先を前提としています。

 

総合的に考えると母国への送金5万円は常識的な水準と考えられます。

となると、年間では約60万円、3年間で180万円の送金(貯金)が可能という計算になります。

 

 

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3.初期投資を回収できるか?

問題はここです。

ベトナム人にとって、3年間で180万円の収入は、ベトナムで支払った費用を回収し得る金額なのでしょうか?

 

一部報道やネットでの情報によりますと、実習生はベトナム人に限らず本国で100万円以上とも言われる保証金・供託金を支払っていると聞きます。

話をシンプルにするため、本国での保証金は100万円と固定します。

 

その場合、3年間実習をやり終えた実習生は、「自らの送金:180万円」と「保証金の返還:100万円」の現金を受け取ることになります。

(家族への送金が、貯蓄されてるか浪費されてるかは何とも言えませんが・・)

 

よく聞く話ですが、保証金の100万円を集めるために家族が親戚中から借金をしている、という事情を考慮すると、返還された保証金の100万円は手元に残りません。

残るのは自分で稼いで送金した180万円のみという事になります。

 

ブラックな送り出し期間では、入学金・手数料に100万円以上掛かるという噂があります。

その場合、そちらの費用もしくは借金も返済する必要があるので、手元には80万円しか残りませんが、一応現金収支はプラスになります。

 

 

4.実際、得するのか・損するのか?

 

≪返済必要な金銭が、保証金以外にはない場合≫

送金した180万円が手元に残る計算になります。

ベトナムで180万円を稼ぐには、最低賃金+α(額面約2.5万円から社会保障費を2割源泉徴収 ≒ 手取り2万円)では90か月。

テト賞与(月給1か月分)を考慮すると、約7年掛かります。

単純な収入の計算では、技能実習の方が旨味はありますね。

日本で3年頑張れば、ベトナムで約7年分の収入という訳ですから。

 

≪返済必要な金銭が、保証金以外にある場合≫

帰国後、送り出し機関へ入学金ほか諸経費(100万円と仮定)を返済するケースです。

手元に残るのは80万円となります。

先述の計算に当てはめてみましょう。

80万円を稼ぐのに要するのは、約40か月。

テト賞与を考慮すると、約3年。

もはや、金銭的な旨味はないですね。

(都市部付近の工業団地でワーカーとして仕事するのと大差なし)

 

東京都や大阪府など時給の高いエリアに就職できたなら、多少状況は異なりますが、手取りが10万絵程度という場合は、金銭的なメリットは期待できません。

もちろん、どちらの場合も日本語や専門技術の習得という副次的なメリットはありますが、彼らがそこまでの事を期待して日本での実習に応募しているとは考えられません。

 

 

少し、纏めますと

残業のほとんどない実習先ですと、日本人感覚で考えますと実入りは良くないです。

3年間頑張って、7年分の給料を手に入れるといのが私の計算です。

仮に、送り出し機関が多額の手数料を取っているとなると、失踪して違法な仕事をしないと旨味はないという計算になります。

 

本日の内容は、あくまでも客観的な計算に基づくものです。

実習生を受け入れ予定の企業さまは、一つの参考数値としてお考え下さい。