ベトナム駐在員の類型 <企業規模による考察>

ベトナム全般

昨夜はサッカーで大騒ぎでしたね。

深夜まで続く暴走や笛の音、寝れないほどのレベルでした。なにはともあれ、ベトナム代表おめでとうございます。

 

さて、駐在員にまつわる話、特に組織について今日はお話したいと思います。

ご存知の通り、ベトナムには大小様々な日系企業が進出しています。

一言で日系企業といってもその規模は様々です。タイトルにもある通り、今日は企業規模を切口に、各社がどういった組織づくりをしているかお話します。

 

【目次】

 

 

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1.大企業(駐在者多)

はじめに、「大企業」という言葉の定義ですが、会社法で定義するようなモノではなく、単純に誰もが知ってる”有名企業”や”年商・資本金の大きい企業”程度でご理解ください。

 

ベトナムに進出している有名どころですと、HONDA、LIXIL、Panasonic、京セラ、住友電装、、などなど言い出したらきりがありません。

歴史を遡ると大手総合商社の中でも、住友商事の進出が早く、住友系列の会社が多いとか・・

 

こういった、大企業の場合ですと雇用の規模も巨大で、単位としては千人単位の雇用を現地で行っています。人件費の安さが売りの国ですので、人員規模が大きければ大きいほどメリットを享受しやすいので当然かと思います。

 

たまに、税務セミナーなどで隣に座った方と名刺交換をすると、大企業の現地社長であったりというケースも珍しくありません。あまりない機会なので、世間話ついでに雇用規模や組織について質問したりしています。

 

「御社には何人くらい、駐在員がいますか?」とシンプルに聞くと、「50人」「30人」中には「100人近い」なんて答えも返ってきます。

これだけ聞くと「え!?多い!!」と思うかもしれませんが、1万人近い雇用を行ってる工場もありますので、決して異常な数値ではないと思います。

 

個人の感想も入りますが、大企業となると各部門のトップに日本人を据える組織設計が多いと感じます。もちろん、リーダー的存在のベトナム人はいますが、あくまで部門長は日本人というパターンです。

各部門の実績を部門長である日本人が吸い上げて、ほぼ日本人で構成される会議で纏める。結果を本社へ提出という業務プロセスです。

 

ベトナム人リーダーと直接やり取りをする日本人マネージャーは、やや苦労すると思いますが、他の駐在員はさほど日本にいる時と変わりなく仕事を進めることができるかと思います。

製品の品質管理などは日本人技術者が監督し、経理・総務はコンサルが一部補助という盤石な体制を敷いている会社も珍しくありません。とにかくお金をかけて、品質リスク、税務リスクを極力排除するという組織づくりです。

 

日系ではありませんが、韓国系LGやサムスンはそういった話をよく聞きます。

ただ、LGやサムスンは1万人、2万人もしくはそれ以上という圧倒的な規模での進出のため、ローカル人材の採用にも抜かりはありません。

飲み屋で聞いた話なので、全てが全て事実かは確証がありませんが、日系企業で採用されているベトナム人幹部スタッフが、韓国大手の採用に応募しても面接や試験で落とされるというケースが非常に多いようです。

(韓国大手は、グロス給与で30万円〜40万円といった求人もあるようです。)

 

 

2.大企業(駐在者少)

結構、というかかなりのレアケースかと思います。

しかし、過去に名刺交換した中にいらっしゃいました。

従業員数は千人規模、駐在員は社長1名というパターンです。

 

正直、かなり驚きました。

短い時間でしたが、聞いた話によると会社の方針で現地化を進める、ということで日本人は最小限、その代わり優秀なベトナム人スタッフの採用と教育を推進したそうです。

駐在員の役割は、職場の安全管理とコンプライアンスの監視という、ごく限られた分野のみ。

 

私自身、駐在歴が短いので偉そうなことは言えませんが、非常に効率的な組織運用であると感じました。

優秀なベトナム人とはいえグロスの給与が月20万円いく人はあまりいません。社会の建前としては、日本よりも実力主義という雰囲気は強いですが、ある程度経験を積んだベテラン社員でないと、この水準には到達しないかと思います。

なぜ、私が効率的と考えるかというと、日本人と違って(彼らに)高額な住居や所得税を負担する必要がないからです。

 

日本人駐在員を現地へ派遣しようとすると、少なくともネット給与30万円。加えて、サービスアパートの手配が必須になります。

年1〜2回の飛行機代やらも考えると会社の負担は、ベトナム人と比べて圧倒的に重たいですしね。

 

この類型、お金は自社にかける。(コンサルなど外注は最小限)

ベトナム人のことを一番理解できるのはベトナム人と割り切るスタイルです。

ベトナム人同士で不正を行うリスクは勿論ありますので、駐在員のスキルが非常に問われます。

 

 

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3.中小企業(駐在者少)

下町ロケットの佃製作所をイメージして頂くとわかりやすいかと思います。

今日のブログのメインですね。

 

海外進出=大企業というイメージがありますが、実はそうではありません。

いわゆる中小企業でも、中国、東南アジアへ進出している工場は多々あります。

 

こうした企業ですと、駐在員の数は2〜3人、場合によっては1人というケースも珍しくありません。(というか1人のケース、結構多いです。)

駐在員の派遣にお金がかかるから、という理由ももちろんありますが、単純に本社に人がいないからという理由もあります。

 

事実、ベトナムでの日本人向け求人情報を見ますと

日本人管理者募集 職種:工場長

というものも珍しくはありません。

 

駐在員の人数が1人ですと、正直かなりキツイです。

技術職と事務職両方のスキルを持った日本人社員なんて、おそらくいません。

工作機械の設定や異常を修理して、会計帳票の打ち込み、給与計算・・

これ全部独りでできますか?  無理です・・

 

となると、必然的に必要となるのが出張ベースでの応援です。

先日のブログにも書きましたが、出張の扱いは慎重に行わないと税務リスクになります。

 

また、中小企業の場合、総務のスタッフにあまり好んでお金を使わないかと思います。

総務スタッフにグロス給与20万円なんて、ベトナムの日系中小企業で聞いたことがありません。

そうなると自動的に、ベトナム人によって運用される未熟な総務組織を日本人が管理するという形になります。

 

ベトナム語で書かれた資料をベトナム人スタッフが持ってきて、下手な日本語で「シャチョー、ケイヤクショです。 サインクダサイ。」ってな感じでサインしてたら、ある日税務調査がきて、「書類に不備あり、損金不算入、罰金100万円」なんてことも充分考えられます。

 

私自身、この類型(中小企業)に該当するので、毎日会社の組織つくりに頭を悩ませる訳です。

結論として、業務が安定するまで総務や経理の代行・外注サービスを上手く利用するということです。

特別に給料がいい会社でもない限り事務系スタッフは数年で転職していくと考えた方が安全です。

 

コンサルについては後日別のブログでお話しますが、海外でビジネスをする以上、日本人スタッフへ意思の伝達を行う総務部門には、ある程度お金をかけるというのが私の持論です。