テト賞与【損金不算入のリスク】

コスト

テトまで3週間を切って、ベトナムはすっかり年末ムードです。

街のスーパーは、贈答品?用のお酒エリアが広くなったような気がします。

サムネ画像は、最近のスーパーの写真です。

 

さて、テトといえば経営者はテト賞与を気にしなければいません。

これの多寡で従業員の離職に繋がったりと、色々とベトナムは考える事が多いです。

 

ちなみに昨年弊社はテト賞与払ってません・・

当時のエピソードはこちらのブログをご参照下さい。

 

本日のブログでは、タイトルにもある通り、テト賞与が損金として認められないケースがあるよ。

ということをご紹介させて頂きます。

 

 

【目次】

 

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1.そもそも損金って?

経理出身の人間だとよく「損金」という言葉はよく耳にするのですが、技術の人間ですと知らなくても無理はありません。

 

損金 ≒ 費用

 

くらいのイメージを持って頂ければ十分です。(厳密には細かい点が違います)

 

会社の法人税は、1年間の利益に対して課税されます。

例えば、売上が100万円、売上原価30万円、人件費20万円の会社があるとします。

 

この場合、

利益 : 100 – 30 – 20 = 50万円

となります。

 

法人税40%で計算すると

法人税 : 50 * 40% = 20万円

この状況では、費用である「売上原価」「人件費」が「損金」として認められています。

「損金算入されている」、というのが経理でのワードになります。

 

では、税務調査で「損金算入を否認される」、という状況を説明します。

上記の事例で人件費20万円が損金算入否認されたとします。

 

すると法人税計算はこのように変化します。

利益 : 100 – 30 20 = 70万円

法人税 : 70 * 40% = 28万円

法人税増: 28 – 20 = 8万円

 

申告納付する税金が8万円増えましたね。

つまり、会社として不要な出費が増えたということです。

加えて、これがベトナムだとすると、高い高い延滞税が加算されるので、ダメージも大きいです。

 

 

2.テト賞与について社内で規定している?

本日のブログで、ここがポイントです。

テト賞与を支給する場合、会社にはそれを支給する根拠資料が必要です。

 

根拠資料? と頭に?が浮かぶと思います。

 

具体的には以下のものが挙げられます。

  • 就業規則
  • 雇用契約書
  • 賃金規則
  • 決定書

 

つまり、社内規則や契約でテト賞与を支給するという文言がない場合、賞与を支給したとしても「損金」として認められないというリスクがベトナムにはあるのです。

日本にいるとぴんと来ませんが、割と典型論点でもあります。

 

一般的な目安が月給の1ヶ月分ということですので、仮に3~5年間分の賞与を損金算入否認されるとなると、かなりのダメージかと思います。

 

 

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3.規定と支給金額は合ってる?

「なんだよ、まだあるのか・・」とため息が出るかと思います。

ですが、まだあります。

先ほどの社内規定の話です。

先述の通り月給の1ヶ月分というのが一般的な支給目安であることは間違いありません。

しかし、社内規定で「賞与は月給1ヶ月分」とがっちり明記してしまうと、それに縛られる結果になります。

 

つまり、業績が良かった年に月給2ヶ月分を支給したとします。

すると、社内規定よりも多い1ヶ月分については、「規定と異なる」という理由で損金算入を否認されるリスクがあります。

 

イライラしますよね。

ベトナム現地従業員の生活に寄与して還元してるのに、税務調査で文句言われる訳ですから。

 

対策としては、2点あります。

まず第一に、「決定書」をうまく活用することです。

社長自らが、「今年は特別に2ヶ月分だぞ!!」という書類を社内の公式文書として発行してしまうのです。

フォーマットは自由です。

総務のスタッフに理由を説明して、「決定書をこういう文面で発行したいので、ベトナム語の書類用意してね。」と伝えれば慣れた感じで作ってくれます。

印刷したら、社長の署名と社印をガッチリ押しましょう。

 

第二に、社内規定の記載をぼんやりした表現にしておくことです。

規定で「賞与は月給1ヶ月分」と明確な数値を書いてしまうと、それ以外はNGという裁定を下される事がベトナムは多いです。

ですので、「賞与は業績によって変動する」とか「賞与は業績や個人のスキルによって異なる」など具体的な値を記載しない方がベターです。

 

いかがでしょうか。

私も、ベトナムに来てから色々な事例を聞きましたが、実務ではもっと多彩なバリエーションがあるようです。

本日紹介したのは基本中の基本ですので、複雑な事象については各自、会計コンサルの担当者に一度聞いてみてください。