駐在員賃金の負担における2つの主流

ベトナム全般

ベトナム駐在員の給料って、どうするの?

所得税は?

など、進出を検討中の企業や、進出間もない企業では頭を抱えるポイントだろ思います。

私の知りえる限りで、現時点の各企業様のメジャーな扱いを紹介させて頂きます。

(ちなみに、サムネ画像の人物はホー・チミンです。全部の紙幣が同じ人物です。)

 

【目次】

 

 

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1.日本本社とベトナム企業の双方で負担

通常、海外駐在・海外出向となると一定率賃金が上がるのが妥当と思います。

仮に駐在員Aさんの額面が総額50万円だったとしましょう。

このケースでは、本社から30万円、ベトナム企業から20万円(ドン、もしくは米ドル)を受け取るイメージです。

Aさんにも日本の生活(既婚者の場合、家族の生活費。独身でも車両の維持費・賃貸マンションの家賃など)があり、日本国内における円での収入は不可欠です。

ごくまれに、日本における給与をゼロにしているという話も聞きますが、日本での収入が無いとなると、社会保険料の支払いも同時にストップするので、医療サービスを受ける際にトラブルになるのでお勧めしません。

 

さて、この場合、ベトナムでPIT(個人所得税)の論点が発生します。通常サラリーマン(副業収入のない)は会社が確定申告を代行してくれます。なぜなら、会社が、従業員の所得を全て把握しているからです。

しかし、この場合はどうでしょう?

駐在先であるベトナム企業は、「Aさんの所得=ベトナム企業での賃金」としか把握していません。

ベトナムにおいて、所得税の課税は個人の「全世界所得」を対象に税金の計算が行われます。

Aさんの全世界所得(50万円)=本社の給料(30万円)+ベトナムでの給料(20万円)

上記のイメージになります。

 

つまり、ベトナム企業から直接支払われていない、本社の給料についてはAさん本人が税務署に行って申告する必要があるのです。

 

「ベトナム語なんて話せないし、どうやってすればいいの?」「書類のフォーマットは?」

という疑問が出るかと思います。

 

勿論、日本人個人での申告はほぼ無理です。

税務・会計のコンサルに指導してもらい、個社のチーフアカウンタントと一緒に手続きするという流れになります。

ここで一点注意が必要なのが、税務コンサルと契約する際に、「PITの申告補助」をしてくれるか確認することです。「個人所得税の申告」、一見難しそうに聞こえますが、それほど負荷の大きい業務ではありません。

ただ、依頼者の経験不足を逆手にとり、多額のオプション料金を請求するコンサルもありますので、必ず複数社から見積もりを取るようにしてください。

(契約内容に明記がない状態で、相談しても追加料金を取られる可能性があります。)

 

 

2.日本本社とベトナム企業の双方で負担 (本社負担分をベトナム企業に請求)

上記Aさんのケースで再度説明しましょう。

Aさんの全世界所得(50万円)=本社の給料(30万円)+ベトナムでの給料(20万円)

 

このケースでは、本社はベトナム企業へ、本社の給料(30万円)を請求します。

ベトナム側も請求に応じて、30万円を本社へ送金すると、ベトナム企業側でAさんの所得(全世界所得)を完全に把握することができますし、実態上も会社で費用を負担しています。

給与計算エビデンスに基づいて、PIT計算をすれば問題ありません。

 

こうすることで、Aさんの日本での生活も保障されますし、帰国時に医療サービスを受けても何ら問題はありません。

ただし、デメリットとしてはベトナム企業での費用負担が重くなるという点です。

そんな中、駐在員の給料全額をベトナムで負担というのは、やはりかなりの重荷になります。

 

ベトナムの法律上、現地子会社の資金が尽きた場合、①親子ローン ②増資 ③現地での借り入れ

3つに対応策が絞られると思います。

 

①親子ローン

ハッキリ言って最も無難です。手続きも一番簡単だと思います。

ただし、子会社であるベトナム企業は親会社に代わってFCT(外国契約者税)を申告・納付する必要があります。(親会社が受け取る、利息分に課税が行われます。)

FCTについては重要論点ですので、いずれ時間のあるときに振り返りの記事を投稿したいと思います。

 

②増資

手続きがかなり面倒です。私が記憶している限り、DPI(計画投資局)をはじめとした役所を回らないといけません。基本が縦割り行政のベトナムという事もあって、それなりに時間が掛かります。

また、ベトナムの法律上、減資はできません。

つまり、本社からの増資、グループ外からの増資、いずれにしろ投資した分は配当などの形でリターンを得るしかないという事を頭の片隅に入れておいてください。

 

③現地での借り入れ

すいません。書いておいてアレですが、分かりません。やったことがないので。。。

ただ、資金繰りが難航した外資に、ローカルの銀行や日系の金融機関が貸し付けをスムーズに行ってくれるかは難しいところだと思います。仮に、出来たとしても親子ローンよりも当然金利が高いのでメリットはありません。

 

 

以上、簡単ですがベトナム駐在員の賃金の扱い、説明させて頂きました。

ご参考までにどうぞ。