【ベトナムの休暇制度】 有給休暇?無給休暇?解説してみます

ベトナム休暇制度

ベトナムで駐在社長として業務をしていると、スタッフの休暇申請を承認するという業務が発生します。

日本でも管理職の経験がある方だと、部下から有給休暇の取得申請が提出され、それに判子を押していたと思います。(大企業だと、web上での承認がほとんどと思います。)

 

さて、休暇制度をとっても日本とベトナムは制度が若干異なります。

今回は、その休暇制度について触れていきたいと思います。

 

 

【目次】

 

 

 

 

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1.ベトナムの有給休暇

ベトナムにも勿論、有給休暇は法律で規定されています。

基本的には年間12日
勤続5年ごとに1日増加

 

細かい法律については、私自身日本のことも理解出来ていませんが、制度そのものは日本と大差ありません。

基本的には従業員は自らの意思で休暇の申請を行うことが出来ます。

 

日本と大きく異なるのは、未消化の有給休暇について、従業員は会社へ買い取りを要求できるという点です。日本でも有給の買い取り制度、普及して欲しいですね。どうせ休めないなら、せめてお金もらって家族サービス・・なんて考えのサラリーマンも多いと思います。

 

買い取り制度ですが、会社(ベトナム)によっては、未消化日数について割増で買い取りを行っているところもあります。従業員が休まず働くインセンティブをつけて、操業を安定させるのが狙いかと思われます。

ただし、この場合、就業規則などの社内規定で割増での買い取りについて算式を明記しておく必要があります。

でないと、税務調査で割増部分の損金算入を否認される可能性があります。

(損金算入については、こちらをどうぞ。)

 

 

 

2.無給休暇とは?

この単語、正直私には馴染みがありませんでした。

「給料出ない?無給?の休暇??なんだソレ?」と始めは思いました。

 

日本の会社で言われる「欠勤」をイメージすると分かりやすいかと思います。

勤勉な日本人が、「有給休暇の付与日数以上に会社を休む」、「無断で会社を休む」など、あまり考えにくいですが、それらの場合が主に「欠勤」とされ、その日数に応じて給料を減額されます。

(少し興味が出たので、日本の法律における「欠勤」という言葉の定義をしらべましたが、どうやら法律では明確に定義されていないようです。)

 

ベトナムに算式を当てはめると、

(額面)30,000円 × (無給休暇日数)1日 ÷ (定勤日数*)25日 = 1,200円

 

(*)定勤日数:月間の働くべき日数

1,200円が給料から引かれる計算になります。

 

 

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3.無給休暇の具体例

では、どんな場合がベトナムの法律で無給休暇として定義されているか見てみましょう。

分かりやすいのは労働法116条の2項です。

 

2. 被雇用者は、父方の祖父母・母方の祖父母・兄弟姉妹が死亡した、父または母の結婚、兄弟姉妹の結婚に際して、1日の無給休暇を取得することができるが、雇用者に通告しなければならない。

 

つまりは、遠い親戚の冠婚葬祭ですね。

親戚付き合いが日本と比べて蜜なベトナムです。こうした、細かい規定まで法律で規定されています。

 

また、労働法以外で社会保険法にも規定があります。

こちらは主に、産休についての規定です。社会保険法の32条~40条あたりに具体的な記述があります。

ベトナムの法律で、産休期間は6か月と定められており、その間会社は給与を支払う必要がありません。

つまり、形式上は無給休暇という扱いになります。その間の給料に相当する金額は、社会保険から給付が行われるという仕組みになっています。(会社及び従業員が適正に社会保険料の納付を行っていないと受給できません。)

 

産休と類似したケースで、人工妊娠中絶、流産、胎児の異常、など細かい規定がありますが、今回は割愛させて頂きます。

(過去ブログに、男性社員の育休について書いたモノあります。こちらもどうぞ。)

 

 

 

4.無給休暇と人事評価及び解雇

私なりに解釈した、ベトナムにおける「無給休暇」の面白い点ですが、雇用者の承認がない無給休暇は日本でいう「欠勤」扱いになります。

 

ベトナム労働法116条に戻ってみましょう。

3項にこんな記述があります。

3. 本条第1項および第2項の規定のほか、被雇用者は雇用者と合意の上で無給休暇を取得することができる。

 

つまり、これを裏返して考えると、雇用者の合意(承認)がなければ無給休暇は取得できないということです。そして、(無断)欠勤が続く場合、会社側は解雇処分を言い渡すことが可能になります。

 

(労働法126条3項)

3. 被雇用者が正当な理由なしに月に合計5日、又は1年に合計20日、無断欠勤した場合。正当な理由があると認められる場合とは、天災、火災、自身または家族が疾病し、認可を受けている医療機関の承認がある場合、また就業規則に規定されるその他の場合である。

 

 

資本主義経済を導入しているとはいえ、ベトナムは共産主義国です。労働者階級の保護は手厚く、雇用者による一方的な解雇は基本的にできません。(有期契約の更新をしない、ということは可能ですが)

ですので、頻繁に会社を休む不良社員の出勤記録は、厳密に管理するのがベターです。

 

また、無給休暇・欠勤の日数は、当然ながら昇給・賞与の査定に使えます。

何かと、文句をつけて1円でも多くの昇給・賞与を勝ち取ろうとする従業員も居ますので、目に見える査定というのは非常に重要です。

 

 

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5.まとめ

以上、ベトナムの法律における休暇の概念をまとめました。

休暇の取得は、給与計算ひいては昇給などにも影響します。駐在員として、ある程度理解しておかないと日常の業務で割とテンパります。

 

下記に、私が日常的に参照している法律のリンクを貼っておきますので興味のある方、こちらをどうぞ。

なお、法律は頻繁に改正されるので、下記の資料はあくまで参考程度として下さい。

労働法

社会保険法